Whenever Wherever Festival 2011

土方巽「病める舞姫」テキストによる作品─辺境を身体で巡る

カワムラアツノリ

大倉摩矢子

アフタートーク
司会:山崎広太


カワムラアツノリさんは、じっくりと自分の身体の時間を持っていて、そして動きもかなり正確になぞっている。自分そのものを客体化するすべを知っている。うっすらと聞こえてくる民謡と、ひょっとこのような動きが奇異的で面白い。最後、うっすらとした光の中での佇みは身体が溶けるようにも見えた。
大倉摩矢子さんは神秘。見ている最中、この人は舞踏の宝だと思った。美しすぎる。彼女を超える存在はでるのかなとも思ってしまう。次第に衰弱体の方に、どんどん落ちていくのかなとも思えたが、後半踊ってしまい、もちろん動き自体も悪くない。しかしそれはそれでいいのだが、全体を構成を考えると、軽薄感がつのってしまう。芦川さんもアクティブに踊っていたことを思い出しながら、ま~いいかと思えてしまう。やっと、衰弱体の方に向かうのであるが、時が遅かった。
あるテキストを伴った作品のショーイングはフォーカスがしっかりして、今後発展していきたいプログラムだと思う。そして、しっかりと身体に向き合っている振付家、ダンサーがいるのだと確信した。

report by K.Y.


出演:カワムラアツノリ、大倉摩矢子

2011年7月24日
森下スタジオ Sスタジオ

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Photo: Photo:Body Arts Laboratory

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