Whenever Wherever Festival 2011

Asakusa Art Studium

確率的に存在する運動、あるいは存在の濃度を考える。
芸術・科学と身体をめぐるトークシリーズ

8/5[金]|8/11[木] 各日18:30-21:30
各800円|2日通し1,500円
会場:アサヒ・アートスクエア

企画:岡﨑乾二郎(造形作家、批評家)

8/5[金]

出演:
前嵩西一馬(文化人類学・沖縄研究)
岡﨑乾二郎

8/11[木]

出演:
後安美紀(生態心理学、ATR知能ロボティクス研究所客員研究員)
辻田勝吉(システム工学、大阪工業大学准教授)
山崎広太(振付家・ダンサー)
岡﨑乾二郎


WWFes 2009/10で、非人間型人間ロボット(ポルターガイスト型ロボット)「デクノボ(DekNobo)」によるパフォーマンスを発表した、岡﨑乾二郎氏。DekNoboをその成果の一つとする研究で、氏は、視覚イメージによらない対象認識の可能性、そして、想起と知覚を結びつける場所としての身体のあり方を示し、運動イメージと視覚イメージという異なる位相を交差させるコレオグラフの核心を提起しました。

岡﨑氏を企画者に迎え、芸術/科学/身体の分野の専門家が参加する、2回にわたる徹底トークシリーズ「Asakusa Art Studium」を開催します!


確率的に存在する運動、あるいは存在の濃度を考える。

たとえば確率的な存在について。存在は、空気や水で薄めるように時間と空間に拡散させていくことができる。その濃度の差異がものをものとして現象させる。存在はどこかスカスカで、そのそこはかとない薄さにこそ反対に、他の何物かが濃密に入り込んでいるのだともいえよう。これが空間というものの本性である。であれば確率的な運動とは、たとえば水に溶かされた絵の具のようなもの。どのように絵の具が薄められ(色の粒子が、互いに隔てられ)拡散していても、それは連続したひとつの色として捉えられる。局所的な視点からみれば、ここにある青の粒子は、はるかかなたに隔てられた青と連続している。それが1億光年の距たりであろうと。(岡﨑乾二郎)


Archive
2010
2009


岡﨑乾二郎|Kenjiro Okazaki
造形作家、批評家
1955年東京生まれ。近畿大学国際人文科学研究所教授。82年パリ・ビエンナーレ招聘以来、数多くの国際展に出品し、2002年にはセゾン現代美術館にて大規模な個展を開催。同年「ヴェネツィア・ビエンナーレ第8回建築展」(日本館ディレクター)や、現代舞踊家トリシャ・ブラウンとのコラボレーションなど、つねに先鋭的な芸術活動を展開している。東京都現代美術館における特集展示(2009-10)では、80年代の立体作品から最新の絵画まで俯瞰した。主な著書に『ルネサンス 経験の条件』『れろれろくん』など。
http://kenjirookazaki.com

前嵩西一馬|Kazuma Maetakenishi
文化人類学・沖縄研究
1971年生まれ。コロンビア大学人類学部博士課程修了。現在、早稲田大学琉球・沖縄研究所客員講師、早稲田大学、明治大学、日本大学にて兼任講師を務める。主な著書・論文=『沖縄学入門―空腹の作法』(勝方=稲福恵子と共編著、昭和堂)、「沖縄で探す「鞘」の言葉―「高度必需品」としての蝶柄、笑い、生物群」『思想』9号(2010年、岩波書店)など。

後安美紀|Miki Goan
生態心理学者
1973年岡山生まれ。ATR知能ロボティクス研究所客員研究員。98-2001年日本学術振興会特別研究員(DC1)。01-03年駿河台大学現代文化学部専任講師。04年ATRネットワーク情報学研究所に入社、05-09年まで科学技術振興機構さきがけ研究員として働き、11年より現在に至る。研究テーマは創造行為の成立過程の解明、芸術作品のアフォーダンスの特定。平田オリザや太田省吾の演劇創作現場の観察、分析に努める。法廷/虚偽自白者と舞台/俳優との間に共通性を見出し、足利事件の心理鑑定にも参画。

辻田勝吉|Katsuyoshi Tsujita
ロボット工学者
1967年長崎生まれ。大阪工業大学ロボット工学科准教授。1993年大阪大学工学部電子制御機械工学科助手、96年京都大学大学院航空宇宙工学専攻助手、2005年大阪工業大学工学部電気電子システム工学科助教授となり、現在に至る。生物規範型ロボット、創発システムに関する研究に従事。95-97年には小惑星探査機「はやぶさ」のサンプルリターン計画グループへの参画や、戦略的創造研究推進事業「ロボットの脳を創る」プロジェクト(1999-2003)のメンバーとして脳型情報処理機能を持つロボットの開発などの活動を行った。

山崎広太|Kota Yamazaki
振付家・ダンサー
カンパニーKota Yamazaki Fluid hug-hug主宰。ベニントン大学ゲスト講師。1994年、バニョレ国際振付賞受賞、2007年、NYダンス・パフォーマンスアワード・ベッシー賞受賞。11年、《ねじまき鳥クロニクル》振付協力(エジンバラ)、ルーツを探る黒人アーティスト達とのエクスチェンジ作品《visible》(NY)、《Rise:Rose》(ベルリン、ブレーメン、ケルン)、12年《Rays of Space》(冬のアビニヨン)、新作《glowing》北米ツアー予定。Body Arts Laboratory代表。
http://www.kotayamazaki.com

Photo: Photo:Body Arts Laboratory

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