インターウニ勉強会♯2
港区で(自分なりの)生の形式を見つける
講師:宮下寛司
ゲスト講師:木村玲奈、super-KIKI
港区は東京の中心にあり歴史も豊かな土地ですが、お台場は戦後の経済発展によって成り立っているという点で特異な場所です。本プログラムは、そうした場所の観察を出発点に、場所で遭遇した出来事を他人に伝えるための身体テクニックを開発したり、生活の記録を残したりすることで、自分なりの生きるスタイルを作り出すことを目指すワークショップです。
対象は都内の大学に在籍する学部生および卒業して3年以内の方々です。全3回のワークショップとレクチャーを踏まえて、最終回でリサーチ内容の公開を行います。各回ではフェスティバル全体のコンセプトを共有しつつ、参加者各自の関心や洞察を深めていきます。
フェスティバル会期に行う発表は希望者に限りますが、会場からのフィードバックを交えて、各々のスタイル(ダンス、パフォーマンス、インスタレーション、テクスト公開……)を共有します。
ワークショップとレクチャー各回内容は以下の通りです。さらに具体的には、以下の案内をご覧ください。
*第1・3回は台場区民センターとお台場周辺、第2回は台場区民センター予定。
インターウニ勉強会
主として大学の学部在籍者が、アーティストと一緒に研究を伴うワークショップやレクチャーを通じて交流する中で、パフォーマーとしても観客としても幅広くアートに関わる可能性を模索する勉強会です(2024年8月に始動)。
開催情報
日時
- レクチャー・ワークショップ
2024年
11月24日(日)13:00−16:00
12月22日(日)14:00−17:00
2025年
1月13日(月・祝)14:00−17:00
*会場は13時より開場。 - 発表・公開ディスカッション
2025年2月1日(土)
*時間未定
場所
- レクチャー・ワークショップ=台場区民センター
(港区台場一丁目5番1号 台場コミュニティーぷらざ内) - 発表・公開ディスカッション=SHIBAURA HOUSE
(東京都港区芝浦3-15-4)
料金
無料
対象
都内の大学に在籍する学部生および卒業して3年以内に該当する方
*ダンスやパフォーマンスの経験の有無は問いません。
*レクチャーとワークショップへの参加が必須となります。
定員
10名(先着順)
ワークショップ・レクチャーについて
1│11月24日(日)ゲスト講師:木村玲奈
お台場という場所を眺めながら自分なりの方法で身を置くことから始めます。区⺠センターなどの情報を通じて生活実態を探りながら個人としてどのようにその実態へ入り込みアプローチができるかを探ります。そのうえで記憶する身体の実践的な方法(ダンスやパフォーマンス)を様々に実現するためのディスカッションを予定しています。
2│12月22日(日)講師:宮下寛司
現代の演劇学・舞踊学・パフォーマンス理論において語られている記憶と身体に関する実践例と理論を紹介します。日欧の様々な実践例を映像などで確認をしながら、各人のコンセプトを深めるための意見交換を行います。
3│1月13日(月・祝)ゲスト講師:super-KIKI
アートやファッションを通して社会に対するクィアな疑問やメッセージを投げかける表現を続けるsuper-KIKIをゲストに迎えます。クィアというテーマを通すことで、都市における様々な問題が見えてきます。それは今まで気づかなかったようなこと、言いたくても言えなかったことかもしれません。お台場を巡りながら、都市において見えなかった/聞こえなかったことを発見する方法を模索します。それらの発見を、テクスト媒体やDIYのような手法による表現(ファッション、メイクあるいはアイテムのデザイン)など様々なメディアに変換して残していく作業を行います。
講師よりメッセージ
自分なりの生き方を模索する、共有する、そのことで自分を開き変えていく。
都市の中で生きていくことは、否応なく多様な文脈に接していくことです。港区において現在目に見えている姿は経済都市でしょう。その一方で、注意深く見てみれば長い歴史の痕跡が垣間見えます。しかしながらお台場はどうでしょうか。発展の最中にあるかつての姿は見出せないでしょうし、その結果として真の歴史的姿が顔を出すわけでもないでしょう。そしてそのような場所の記憶はどのように残っていくのでしょうか。
都市において自分を取り囲む経済や政治の力関係や歴史的重さをみつつ、自分なりのパースペクティブで場所の記憶を積み上げ、身体やテクスト・イメージに蓄積していくことを目指し、その方法自体の開発を実験的に試みます。
そのような記憶の方法を通じて都市の中に自分の居場所を見つけられるはずです。お台場はそのような書き込みを許してくれる場所として再発見できるでしょう。
申込方法
申し込みフォームプロフィール
宮下寛司|Kanji Miyashita
慶應義塾大学文学部・多摩美術大学演劇舞踊デザイン学科等非常勤講師。慶應義塾大学大学院後期博士課程単位取得退学。専門は日欧の現代舞踊およびパフォーマンス。現在はドイツ語圏における舞踊学や演劇学の知見をもとに、現代舞踊およびパフォーマンスにおける「主体化」についての博士論文完成に向けて執筆中。
木村玲奈|Reina Kimura
振付家・ダンサー。風土や言葉と身体の関係、人の在り方 / 生き方に興味をもち、〈ダンスは誰のために在るのか〉という問いのもと、国内外様々な土地で創作・上演を行う。近年は、ダンスプロジェクトのリサーチャーやファシリテーターとしても、幅広い年代の身体 / 心と向き合う。主な振付作品に『6steps』『どこかで生まれて、どこかで暮らす。』『接点』がある。’19 – ’20 セゾン・フェロー Ⅰ 。 ’20 – 東京郊外に『糸口』という小さな場・拠点を構え、土地や社会と緩やかに繋がりながら、発表だけにとどまらない実験と交流の場を運営している。
https://reinakimura.com
super-KIKI
2011年より路上デモに参加しながら社会に対する疑問やメッセージを、ぬいぐるみでできた横断幕やネオンサイン風ステンシルのプラカード、衣服などをDIYで制作し表現する。フェミニストゲーマーのミーティングや、政治的メッセージを刷るシルクスクリーンワークショップなども展開。自身のケアと性表現の探求からinstagramでセルフィーの投稿もする。バーンアウトの経験から、日常的にいかに無理しない形で持続的に声をあげられるかを模索し、身に付けられる政治的アイテムを日々制作中。