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造形作家・批評家、岡﨑乾二郎さんを企画者に迎えての芸術・科学と身体をめぐるトークシリーズ。ゲストに、前嵩西一馬さん(文化人類学・沖縄研究)、後安美紀さん(生態心理学者)、辻田勝吉さん(ロボット工学者)、山崎広太が参加した。
第1回では、ダンスこそ再帰性のある芸術形態であり(例えば、2011年8月のダンスが50年前のダンスを復元している)、状況復元能力がダンスの鍵となる説を起点に、(1)身体(X)、(2)表現(コード化)された身体に対して(3)ダンスによって表現されたもの=概念像は目に見える現象としては知覚されないものであるとの図式が、岡崎氏により提示されました。そして、(3)の可能性が、PVなど映像資料の検証を通して、詳しく議論されました。またそもそも、ダンスじたいがここにない空間を再現するものであること、さらに社会システムも含めたオルタナティブを提起する運動として、フルクサスやジャドソン・チャーチ・グループが話題に挙げられました。
第2回では、状況復元能力についてさらに展開し、絵画の模写を事例に、モチーフが蘇る力(画因)にこそ、エンテレケイア(アリストテレスの用語で目的を意味する)=たましいが宿るという、表現ジャンルの差異を超えて芸術を貫く原理について論じられました。
report by M.I.
関連文献
岡﨑乾二郎「ふたたび 、うまれる」『所沢ビエンナーレ「引込線」2011』カタログ(所沢ビエンナーレ実行委員会、2011)所収
Asakusa Art Studium
確率的に存在する運動、あるいは存在の濃度を考える。
企画:岡﨑乾二郎
|i|出演:前嵩西一馬、岡﨑乾二郎
|ii|出演:後安美紀、辻田勝吉、岡﨑乾二郎、山崎広太
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|i|2011年8月5日|ii|8月11日
アサヒ・アートスクエア
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Photo: Photo: Azumi Kajiwara