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睡眠薬の作品(眠れる巨人をくすぐる時 ステージ#10)
《睡眠薬の作品》の出演者は、午後3時に「Ambien」という薬を飲みました。この睡眠薬は、6~8時間持続します。動きと沈黙が、スペクタクルと非スペクタクルのあいだに同時に絡み合う、振り付けされたオブジェクトを、どうぞ観察してください。ご自由に、体に近づいてみてください。でも、触らないでください。午後8:30から9:30のあいだに、目を覚ます予定です。
ステージ#1から#6までは“cool”という美学が、身体にどう描かれるかという概念を探究し、ファッション・デザイナーJoseph Carter(Mark Jacobsデザイナー)、音楽家Mechelle N’degeocellとのコラボレーションとして始動した。ステージ#6は、写真家David Bergéとの共同フォトエッセーとしてオンラインで発表。そして最終的にステージ#7で、芸術作品となることに抵抗したにもかかわらず、《睡眠薬の作品》は生まれた。うまくいけば、これからステージが発生していく中で、もう一度変化が起き、芸術性を捨て去ることになるだろう。しかしながら、今この段階では、《睡眠薬の作品》として存続している。
《Tickle the Sleeping Giant 眠れる巨人をくすぐる時》は、振付家Trajal Harrellによって20回までのステージを通して発展していく「永遠に未完成の作品」である。自由で、多様性を持ち、そして未完成なものとして提案され、いったん20回のパフォーマンスを通して出来上がると、永久に未完成となり、二度と上演されないだろう。このコンセプトの最も重要な側面は、振付や研究、発表における既存の定義、手法に疑問を持つために、人に見られながら発展、拡張してくというストラクチャーの中で存在する可能性を発見することだ。
今回、ハレルは再びベルグとタッグを組み、東京での1回限りのパフォーマンスとして新たにステージ#10を発表する。
―このテキストはパフォーマンス時に配布された―
作:トラジャル・ハレル(デイビッド・ベルグとの共同制作)
パフォーマンス:デイビッド・ベルグ、トラジャル・ハレル
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2012年5月17日
GALLERY OBJECTIVE CORRELATIVE
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Photo: Photo:Body Arts Laboratory