Whenever Wherever Festival 2011

ダンスヒストリープロジェクト




他のジャンルの方々との横断はもとより、開かれたフェスティバルを目的としています。そのために、ダンスの歴史をフォーカスすることも必要と考え、今年からこのダンスヒストリープロジェクトを開始しました。今回は、今野裕一さんの演出による折田克子さんのソロダンス。折田克子さんさんは、石井莫さんに師事した故石井みどりさんが母親で、長年ダンスに貢献されてきました。
普段、ニューヨークをベースにしている者にとって、折田克子さんのダンスを見る機会はめったにありません。20代の頃、折田克子さんの作品に誘われて、稽古場では、とてもきびきびとして、勝ち気な印象の折田先生でした。あれから30年程過ぎ、昔の面影を残しながらも、印象が変わって、妖精のようなダンスでした。石井漠さんのスタイルも彷彿とし、余計なものが削ぎ落とされ、とてもピュアなダンスでした。高齢でありながら身体の劣れも感じさせないものでした。身体を通して歴史を感じることには、ここにいることの喜びがあります。また、いつかご拝見できることを願っています。
ダンスが終わってのトークは、今野さんの演出家としての過去のことから、泉閣士さんの関係から折田先生との仕事のこと、そして、現在形として新作《月光レクイエム》を発表することでモダンとは何かを再考することなどなど。折田先生が途中から加わり、そのトークは、どんなことにも共通する普遍性を持ったもので、忘れかけている、もっとも当たり前のお話でした。そして、ダンスを目指したならば、アーティストとして、振付は絶対しなければいけないと言ってくださいました。このような機会を持つことができたことに感謝しております。

report by K.Y.


公演《月光レクイエム》(新作)
振付・出演:折田克子
台本:今野裕一

トーク
出演:折田克子、今野裕一

2011年8月1日
森下スタジオ Cスタジオ

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Photo: Photo:Body Arts Laboratory

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