Whenever Wherever Festival 2011

既に光は 暗い土のなかに




撮影
ノザワヒロミチ
(CAPSULEOFFICE)


生西康典さんディレクションによる作品。1本の紐と照明機材という、きわめてシンプルな空間と構成。台本を主に語りと歌で伝えるさとうじゅんこさんの声が、ダイナミックで繊細な表現力によって音を司り、それに呼応するように、ダンサーの黒川モモさん、白井剛さんと子役の五十嵐千乃さんの動きが展開し、それを写しとるように微細な照明が施されていた。声の性質――歌と台詞、その中でも意味的要素の強いものから、音楽的なものまで――に細かく応じて変化する音響と照明操作が声を増幅し、空間を形づくっていた。「見えない境界線」をテーマにしたという、台本の上野晃代さんの言葉そのままに、舞台上の構成要素の関係がそのつど移動してゆらいで(境界線が現れては消えて)いくような醍醐味があった。

report by M.I.


作:上野晃代、生西康典
演出:生西康典
出演:五十嵐千乃、黒川モモ、白井剛、さとうじゅんこ
美術:牧かほり、南志保
音響:稲荷森健
照明:仲西祐介
演出助手:池田野歩

2011年8月12日
アサヒ・アートスクエア

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Photo: Photo: Hiromichi Nozawa (CAPSULEOFFICE)

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