Whenever Wherever Festival 2010

透明なサイト・スぺシフィック




午後1時からの20分間、渋谷南口駅前のバスターミナルを横断歩道で渡った通りに、パフォーマー6名がたたずむサイト・スペシフィックのパフォーマンス。パフォーマーは、三井住友銀行を中心にした建物を背に、通りに4、5メートルずつの間隔で、waitingしている。そこにいる誰もが、たえずどこかへ向かうために移動し、またとどまっていても煙草を吸ったり携帯電話を操作し、何かをしている渋谷という都市では、ただ不動の待つという行為が際立った差異として認識される。さらに、その完全な無目的性がかえって謎に映った。静謐さをたたえ、きりりとした(現代の巫女のような?)彼らの身体は、ここにおいては、ことさらに何かを行なうということなしに、渋谷の風景を異化する作用を及ぼしていたように見えた。

これは確かに、都市がもつディレクションに対するシンプルなアプローチの一つではあるだろう。今後、都市の条件をもパフォーマンスの一部として含めたうえで、ダンスを組織する方法を模索しうるのではないだろうか。

report by 印牧雅子

参加者レポート


企画:山崎広太
有志参加者

2010年7月15日
渋谷駅南口にて

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Photo: Photo:Body Arts Laboratory

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