Whenever Wherever Festival 2021

コンセプト

Mapping Aroundness──〈らへん〉の地図

「Mapping Aroundness──〈らへん〉の地図」は、都市風景と交感する身体というテーマを BIC(12.25 Sat−26 Sun)と分け持ちながら行われるパフォーマンス・フェスティバルです。10名のキュレーターによる公演やワークショップなどの企画を4日間に主に2会場で開催いたします。

Mapping Aroundnessでは、BICが現出させる「見えない都市」というコンセプトをさらに展開し、各プログラムが都市を介して、容易に名づけられない固有の領域(らへん)を想像的に見つけだしていきます。メディテーション(瞑想)空間や、時報で繋がる遠隔地域、机の上、街のストリート、〈待機塔〉と名づけられた仮設的なサテライト=7days 巣鴨店、オンラインなどの時空の幅を含むそれぞれの場所で、ときに参加者はパフォーマーらとともに都市の複層的な体験へと潜り込みます。

また、WWFesシリーズ企画として新進振付家によるワークインプログレス公演を実施。さらに、ダンス・演劇などで活躍するアーティスト同士を出会わせるショーイングやトークを行い、パフォーミング・アーツの現在を問い、先鋭的な創造性のありかを示します。

[キュレーターノート][関連テクスト|待機塔]


Becoming an Invisible City Performance Project〈青山編〉──見えない都市

Becoming an Invisible City Performance Project(BIC)は、都市と劇場を結びつけるダンス・プロジェクトです。都市の風景と同化しつつも、異なる志向を持って存在する身体を街に共存させる試みを行ってきたBIC。都市の中にいわば不可視のダンス/身体が浮上し、その痕跡は都市に新たな世界線を描きます。

28名のパフォーマーによるBIC〈青山編〉では、青山を都市の空白と捉え、そのエンプティに満ちた風景から、見えないがリアルな意識や知覚を採集しスコア化、それをダンスとして発表します。上演は2日間で計13時間のあいだにブランクを伴い断続的に行われ、観客は展示空間を回廊するように体験し、劇場に都市の断片が配置されていきます。また、上演空間には、様々な意識や知覚、記憶や気配の事物へのマッピングをテーマにした造形作品群を展示。いわば「見えない都市」を創造するプロジェクトです。

コロナ禍で劇場での作品上演の意味が問い直される現在、パブリックスペースへと飛び出しパフォーマンスの可能性を見出そうとするこのプロジェクトは、ダンスとともに生活するアーティストのあり方もうつしだします。

Becoming an Invisible City Performance Projectとは

パブリックスペースと劇場を結ぶパフォーマンス・プロジェクト。通称BIC。地域に根ざした観客参加型のパフォーマンスを構想する。2019年WWFes関連企画において始動。現メンバーは21名。コロナ禍を契機に劇場の外に広がる⽣活空間・都市空間におけるダンスアクティビティの可能性を探求し、これまでの活動に、羽田空港・歌舞伎町・渋谷スクランブル交差点でのパフォーマンス、国際基督教大学(ICU)留学生とのワークショップ「Hajimemashite Workshop」などがある。
https://note.com/bic_project/

Whenever Wherever Festival

ダンス・フェスティバルそれ自体が、創作の過程でアーティスト同士が結ぶネットワークとして成り立つこと。それが WWFes(ウェン・ウェア・フェスティバル)のコンセプトです。舞台表現に限定されない身体芸術をめぐる環境にはたらきかけ、研究者などを含む多数の実践者との対話・協働の場を開き、その深化を目ざして、2009年より東京で8回開催。創作プロセスや先鋭性を重視したプログラムを特徴としてきました。

また振付家育成プログラムなどで実施してきたキュレーター制を発展させ、2015年、2018年は、バックグラウンドの異なる4名のアーティストがキュレーターとなりフェスティバルを企画。WWFesは、アーティスト相互の実験精神を交換することで、新たなコミュニティ形成を試行する場として構想されています。

2019−2021

2019−2021年、パフォーミング・アーツを軸とするWWFesは、アーツカウンシル東京などの助成を得て、3年間のプロジェクトとして、11名のアーティストコレクティブにより運営されました。

2019年は、空間や時間を仕切ることをテーマにした3回のイベント「しきりベント!」を行いました。2020年はメンバーそれぞれのリサーチが展開され、その記録はウェブ上の「ウェネバーウェアエバー・リサーチ」にアーカイブされています(閲覧有料、一部無料)。数回の公開オンラインミーティングなどの実施を経て、2021年は、3年間の集積の締めくくりとしてWWFes2021がスパイラルホールを主会場に開催。

[活動報告]

運営メンバー:
Aokid|ダンサー/振付家/アーティスト
岩中可南子|アートマネージャー/コーディネーター
いんまきまさこ|編集者
木内俊克|建築家
沢辺啓太朗|広報
七里圭|映画監督
西村未奈|ダンサー/振付家
福留麻里|ダンサー/振付家
村社祐太朗|演劇作家
山川陸|建築家
山崎広太|振付家/ダンサー

Body Arts Laboratory

ダンス・パフォーマンスを軸とするアーティストが運営する組織として2008年に東京で設立し、2021年一般社団法人化(ディレクター:山崎広太)。Whenever Wherever Festival(WWFes)を東京で2021年までに9回開催。先鋭性を重視し、キュレーター制を導入するWWFesは、創作の過程でアーティスト同士が結ぶネットワークとして成り立つことをコンセプトに、身体芸術の分野で類を見ない存在感を示している。

Photo: Body Arts Laboratory

背景画像を表示