Whenever Wherever Festival 2010

ひらく会議|振付の現在

ラウンドテーブル

7/1[木]18:30-21:30
500円
出演:大橋可也、白井剛、手塚夏子、富田大介、西村未奈、武藤大祐、山崎広太、山下残、ほか予定

会場:森下スタジオ Bスタジオ

現在、振付の民主化が起きている!
1960年代に、NYのジャドソン教会でダンスの民主化が起こった。それは、ダンスはダンサーによってのみ特権化されたものではなく、誰もがダンサーになれ、ダンスに接することができること。
今現在において、振付の民主化が起きているのではないだろうか? 振付をもっと広義に捉えるなら、作品創作することのみを振付と考えるのではなく、教えること、組織に関係すること、コミュニティを考えること、作品の方法論のなかに社会との関連を見出すこと、アーティスト同士の考えを共有すること、パブリックのことを考えること……アーティスト活動そのものを振付と言ってしまってもいいのではないだろうか? そう言うことによってポジティブになれる自分がいるし、どこからでもダンスのエッセンスを引き出すことができるのではないかと想像してしまう。
また同時に、作品創作において、振付が、振付家各々によって考えだされたオリジナルなムーブメント、世界観、エゴを貫く作品だけに収斂するのではなく、ダンス的視点から社会へと拡張すること。そこから、アーティストとして社会に参加する、たくさんの存在のあり方を見つけることができるのではないか。振付を拡張しようとしている方々からの言葉を聞き、そのアクチュアリティを確認したい。
[企画:山崎広太、企画協力:印牧雅子、武藤大祐]


大橋可也|Kakuya Ohashi
大橋可也&ダンサーズ主宰。平日はシステム開発の業務に従事しながら、現代における身体の在りかたを問う作品を作り続ける。2010年5月、シアタートラムにて「春の祭典」を上演。
http://dancehardcore.com

白井剛|Tsuyoshi Shirai
振付家・ダンサー。1976年生まれ。96-2000年「伊藤キム+輝く未来」の作品に出演。98年「Study of Live works発条ト(ばねと)」設立に参加。04年ソロ作品《質量, slide , &.》を発表。06年「AbsT」を設立し、07年《しはに-subsoil》、5人の音楽家との《THECO-ザコ》を発表。09年《blue Lion》を発表。またダンサーとして、04-05年ユーリ・ン振付《悪魔の物語》、05年伊藤キム振付《禁色》、06-07年「アルデッティ弦楽四重奏団」とのコラボレーション、07年-《true/本当のこと》に参加。06年トヨタコレオグラフィーアワード次代を担う振付家賞他受賞。

手塚夏子|Natsuko Tezuka
振付家・ダンサー。1996年よりソロ活動を始める。マイムからダンスへと以降しつつ、既成のテクニックではないスタイルの試行錯誤をテーマに活動を続ける。2001年自身の体を観察する「私的解剖実験シリーズ」を始動。02年《私的解剖実験-2》を上演。05年ニューヨークJapan Societyの企画に参加。06年《道場破り》を初演。08年神村恵、捩子ぴじん、スズキクリらと共に「実験ユニット」を結成。観察対象が徐々に変化しつつ、現在、関わりにおいて生じる様々な意識の変容そのものをダンスと捉える。

富田大介|Daisuke Tomita
神戸大学大学院在学(博士後期課程 美学・芸術学)。ダンスの実践と理論を研究。近年の主な仕事=論文「P・ヴァレリーにおける運動的陶酔のメカニズム」『美学芸術学論集』(神戸大学芸術学研究室、2010)、フォーラム企画「場とのコミュニケーション交流」(神戸大学六甲ホール、2009)、舞台出演《Cornucopiae》(レジーヌ・ショピノ振付、2008)など。

西村未奈|Mina Nishimura
東京生まれ。現在、ニューヨーク在住。ダンサーとして、山崎広太、David Gordon、DD Dorvillier、RoseAnne Spradlin、Yoshiko Chumaなどの公演、ツアーに参加。2007年には故ハリー・パーチの実験オペラで主役の一人を務める。振付家としては、ニューヨークのDTW、The Kitchen、Danspace Projectなどで新作を発表している。08年dunaPart(ブダペスト)、09年Impuls Tanz「danceWebプログラム」 (ウィーン) に招待され、エクスチェンジと研修を行なう。ベニントン大学ゲスト講師。

武藤大祐|Daisuke Muto
1975年生まれ。ダンス批評家。群馬県立女子大学専任講師(美学、ダンス史・理論)。共著に『Theater in Japan』、論考に「イヴォンヌ・レイナー『トリオA』における反スペクタクル」「差異の空間としてのアジア」「反スペクタクルと無意味の狭間」など。韓国のダンス月刊誌『MOMM』にて時評を連載中。2008年よりIndonesian Dance Festival 共同キュレーター。

山崎広太|Kota Yamazaki
振付家・ダンサー。カンパニーKota Yamazaki Fluid hug-hug主宰。ベントン大学ゲスト講師、コロンビア大学非常勤教授。1994年バニュレ国際振付賞、2007年NYダンス・パフォーマンスアワー ド・ベッシー賞受賞。主な作品に《Chinoise Flower》、伊東豊雄とのコラボレーション《Cholon》、ジャンメイ・アコギーとの共同振付《Fagaala》、セシール・ピトとのコラボレー ション《Rays of Space》など。10年9月、伊藤郁女の作品に出演(彩の国さいたま芸術劇場)。自身の振付において便利なために、まったく独自な視点からムーブメントを体系化したフルイド・テクニック教則本を執筆中。
http://www.kotayamazaki.com

山下残|Zan Yamashita
振付家。1970年大阪府生まれ。主な作品に、来場者に本を配り、ステージからのカウントに合わせて、観客がページをめくりながら本と舞台を交互に観る《そこに書いてある》、スクリーンに映写される呼吸の記号と俳句のテキストを合わせて身体と見せる《せきをしてもひとり》、動物が演劇をしているようにも見えるダンス作品《動物の演劇》、混沌を生み出す方法による三人のダンサーへの振付作品《大洪水》など。

Photo: Photo:Body Arts Laboratory

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