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12月6日(金)晴れ

芝の家滞在10日目

午前の用事が押してしまい向かうのが遅くなってしまった。

13:00 芝のはらっぱ 到着。

スタッフAさん、Bさんがスワッグをつくり始めていた。材料が並んでいるだけでもすでにワクワクする。ご挨拶してひとまず芝の家へ。

芝の家到着。 

スタッフはCさん、Dさん。

スタッフCさんから「Eさん」という女性を知っていますか?と言われ、誰だろう???となっていたら、芝の家で何度かお会いした仕事のお昼休みに芝の家でご飯を食べている方だとわかった。芝の家のカレンダーに私が身を置かせていただく日を「アーティスト滞在日」と載せてくださっていたのだが、今日が載っている日では最終日だったということで、気にかけてくださっていたようだ。でもお昼休みが限られているのと、私の到着が遅れてしまったことでお会いできなかった。残念無念です。1月18日のダンスタイムカプセルお渡し会までの間にも、それ以降も、芝の家を訪れたいと思っているので、またお会いできるのを楽しみにしよう。スタッフDさんがサラッと、「今回の創作が終わっても木村さんはまた芝の家にいつでも来れるんだから、また必ず会えますよ」と言ってくださり、嬉しかった。

荷物を一度置いて、ランチを買いに裏のケータリングカーへ。今日はアボカドタコライスにしてみた。スタッフCさんもランチを買いに出かけた。

スタッフDさんとお話しする。
Dさんと芝の家の出会いを(スタッフになった経緯を)お聞きした。最初は外部の人間として音楽の企画などで出会ったらしい。2020年の自粛の時、芝の家は閉めていたけれど、スタッフさんたちは来て場を整えていたそうで、非常自体だけどここは守らないと!という気持ちに皆なっていたのだとか。この頃にお誘いがあり、スタッフになったそうだ。

芝の家に滞在させていただきわかったことは、芝の家はスタッフさんたちにとっても来場者の方と同じように大切な場所だということだ。芝の家におけるスタッフさんたちの存在はとても大きいと感じるし、Dさんが居る日はDさんも来場者の方と一緒に芝の家をつくりあげている。そして楽しんでいる。ここで過ごすみんなは、家族でも友達でもなく、知り合いでもないこともある。一期一会の出会いもあるのかもしれないけれど、でも芝の家に居る間は誰も何かを疑ったりせずに思い思いに過ごしたり考えたり楽しんだりできる。一瞬であり、どこか永遠な気もする。

スタッフBさんが青森で買ったお気に入りのこぎん刺しの小さなポーチ/お財布を見せてくださった。紺の麻生地に白地の糸、可愛い。雪の模様のような図案でとても気に入っているとおっしゃっていた。ちょうどカードがピッタリ入るサイズで、カードと折ったお札、小銭少しを入れて、旅行先ではこのこぎん刺し財布をポケットに忍ばせるだけで事足りてしまうのだと嬉しそうにお話してくださった。こぎん刺しを持つ手から、とても気に入っていて大切にされていることが伝わってくる。青森出身者として、とても嬉しい気持ちになった。お財布を見せてくださり、ありがとうございます。

スタッフDさんが三味線を弾きはじめた。裏に大きな穴があいている。いろは祭りの後に、三味線をしているEさんから誘われているところを私は目撃していたのだが、一度稽古場に行ったらこの三味線を練習用にと渡されたのだそう。すごい、がっつりはじまってしまっている!先輩たちの引き込み力の高さよ。スタッフDさんは流石のセンスで、すでに三味線で音階を弾きこなしていた。私の父も昔 津軽三味線を弾いていたので、三味線は身近なものだった。バチの種類や、手のタコについて話した。

スタッフCさんもタコライスを買って戻る。

スタッフCさんと話す。
仕事の話になった。「来年ってどんな感じです?」と聞かれたので現状をお伝えすると、なんとここで、Cさんから、芝の家スタッフへのお誘いが。驚いた。誘ってくださって嬉しい気持ちを伝えた。ただ、本当に来年の予定が読めないのでなんとも言えなくて、しっかりとしたお返事はできなかったけれど、でもまた今後も芝の家を訪ねることができる理由が生まれるのはとても嬉しいことだと思った。場や人との出会いは本当に縁だと思うから。

14:20
急いで芝のはらっぱに移動し、スワッグ作りに参加した。ご近所さんのEさんもスタッフBさんと一緒に創作されていた。良い匂いがする木と、杉の木を組み合わせるところから。太めのワイヤーで固定していく。次に赤い実のついた枝と茶色いビロードみたいな葉のついた枝を組み合わせてくくりつけていく作業。Eさんは、ある程度仕上げたので、芝の家の中でグルーガンを使い小物を付ける!と言って移動。スタッフBさんから、綿も芝のはらっぱでBさん自身が育てたものだとお聞きした。綿ができるまで時間がかかったらしく、愛しさもひとしおなのだとか。綿の中には種が入っていて、紡げば糸にもなるとのこと。ふわふわでやさしくてかわいい。もったいないので少しだけ、私もその綿をスワッグに使わせていただいた。

スタッフCさんが来て、再び話す。
Cさんは学生の頃から芝の家に来ていて、そこからスタッフになったとのことでもう10年になるのだとか。すごいな〜と思う。下校時刻で、小学生たちが集団下校?なのかグループではらっぱの横を通ると、Cさんは「おかえりなさい〜!」と自然に声をかける。子供達が道に広がりすぎて危ない時は「広がらない!ちゃんと車みて〜!」と声がけ。それがとても自然で、ここでのCさんの10年の月日を垣間見るというか、想像するというか、感じたりした。

芝の家の中に移動すると、小学生たちが来ていた。今日は珍しくFちゃんがおらず、初めましての女の子2人。Gちゃんともう1人の女の子。2人は紙のリースを作っていた。その隣で私もスワッグに毛糸やキラキラする糸を巻いたりした。Eさんがグルーガンで松ぼっくりと飾りをくっつけてくれた。赤い大きなリボンも結んでくれて、吊り下げられるようにと紐もつけてくださった。ありがたい。

スワッグが完成した ☆

スタッフHさん到着。
とっておいた朝顔のツルを使ってクリスマスリースを作ってみる!とのことで、ふたたび、芝のはらっぱへ。

15:19
朝顔のリース作りを眺める。立ち話をしていた女性とEさんも加わって、残っている材料がもったいないから使い切ろう!となる。

リースを作りながら、スタッフHさんと1月18日の「ダンスタイムカプセルお渡し会+埋める日」について打ち合わせ/お話しをした。時間や会場の使い方について。現段階で私が思っていることは、いつもの芝の家の雰囲気と変わってしまうことが(イベントメインになるのが)あまり本意ではないということ。基本的にはいつもの芝の家であり、その中に身を置かせてもらいながら、ダンス作品の受け渡しができたらとても嬉しい。そのための家具の配置などを考える必要がある。芝の家に入ってすぐの縁側近くは、出入りしたい人や途中から芝の家を訪れた人が居やすいようなスペースにして、おそらく空間の真ん中あたりをダンスタイムカプセルの受け渡しをする空間とし、奥のテーブル席は長時間滞在したい方が居やすいように配置するのはどうだろう、とスタッフHさんに伝えた。

「ご近所ラボ新橋」のヨガに参加したお話しもした。

小学生Gちゃんが紙のツリーを持ってやってきた。スタッフHさん、Eさん、もう1人の女性のリースがどんどん素敵にできあがっていく。スタッフDさんも三味線と共に芝のはらっぱへ来て、クリスマスソングを弾いてくださったりしている。Gちゃんは、ほうきで机の上を綺麗にしてくれていた。私も木を持ったり小物をどけたりしてお手伝い。

スタッフHさんのリースが完成し、はらっぱのライトがついた木に取り付けた。女性がつくったリースは屋根のある建物のところへ。Eさんのリースは芝の家に飾ることに。まだ木が残っていたのでもったいない!ということで小さなスワッグも完成し、屋根のある建物の柱の目立つところにくくりつけた。

Iくんがはらっぱの前を通って帰っていった。でもすぐ戻ってきて、私が差し入れたチョコレートについて「チョコご馳走さまでした!」と伝えてくれた。なんとなく、今日で私の滞在日が最後(カレンダー記載では)なのを知っていて、最後に声をかけてくれた気がした。ありがとうございます。

本当にあっという間に16:00
急いで芝の家に戻ると、もうみんな帰った後だった。スタッフAさんにスワッグ代をお支払い。信じられないくらい良心的なお値段。ありがたい。。。そういえば《ダンスタイムカプセル》のメインビジュアルのためにつくったカプセルを持ってきていたことを思い出し、芝の家で記念撮影させてもらった。芝の家の外にある自由に持って帰ってくださいゾーンでいただいたカエルのおもちゃや消しゴムなどが入っている。

スタッフCさんは日誌をつけていて、Dさんは掃除し始めるところ。

みなさんにここ数ヶ月の滞在のお礼をお伝えし、少し寂しい気持ちになりながらも、1月18日の前にまたお邪魔すること間違いないので、明るく芝の家を出た。

はらっぱでは、スタッフHさんが土をならしていて、Eさんともうひとり女性が立話をしていた。Hさんにもご挨拶。とてもお世話になったご近所のEさんにも、一応今日で滞在が最後だと伝えた。立ち話していた女性も以前の「コーヒーの日」に少しお話しさせていただいた東北出身の方だとわかり、嬉しくなる。

「また〜!」

皆さんとバイバイして、田町駅へ向かった。
淡い空と月が綺麗だった。